作業服に汚れが付いた場合、その洗濯方法は他の衣類を洗う時とはちょっと違っています。今回は、特に絵具などの油汚れが付着してしまった場合、どのように汚れを落とせばいいのかについて詳しくご説明します。また、普段から汚れる恐れがある場合、どのようにすれば少しでも汚れの付着が防げるか?についてもご紹介していきます。
作業服は汚れることを前提に作られた服ではありますが、だからといって汚れをそのまま放置していいはずがありません。見た目の清潔感もないうえに、悪臭の元にもなってしまいます。そして、その汚れの中でも特に落ちにくいと言われているのが油汚れなのです。
油は水との相性がよくないため、他の衣類を洗う時のように冷たい水を使って洗濯しても、固まった油分はそのまま残ってしまうことになります。きちんと油汚れを落としたいと思ったら、いつもの洗濯とは違った方法を取る必要があるのです。
まず、油汚れを落とす時は、お湯で落とすのが基本です。付着した油が固まってしまっているため、それを剥がす必要があるのです。だいたい50~60度のお湯を用意して、洗剤と一緒にしばらくつけておきます。その時の目安ですが、一時間もつけておけば充分でしょう。
そうすることで油が分解されて溶け、作業服から落ちやすくなるのです。洗濯機で洗うのはもちろん大丈夫なのですが、その前に「お湯で洗う」という工程を付け加えるだけで汚れの落ち方が格段によくなるため、これまでやったことがないという方はぜひ試してみてください。
またこの時、洗剤の入ったお湯に手を入れて作業服を洗う必要があります。素手でそれをすると、洗剤によって手の皮脂膜が一緒に洗い流され、乾燥したり肌荒れしたりしてしまいます。作業服を洗う時は、ゴム手袋などを付けるといいでしょう。
先ほどの「作業服をつけておく」という工程は、臭いにも効果的です。絵具などの油はとても匂いがキツイため、キレイに落とすのはなかなか難しいのです。しかし、最初に洗剤を入れたお湯につけておくことで、汚れが落ちやすくなるだけでなく、ニオイが消えるといったメリットもあるのです。
これは絵具などの油汚れはもちろん、汗などの臭いも消してくれます。それほど汚れは目立たなくとも臭いが気になるという時は、つけ置きをするといいでしょう。また、洗濯機によっては「つけ置き洗い」という便利なコースがあります。
最初にご紹介したよりも手には優しい方法なので、もしそういったコースがある場合は、それを使うといいでしょう。
作業服を洗う時の注意点ですが、まず、油汚れというのはとても強力です。
そのため、力いっぱいゴシゴシ洗いたくなるところですが、それでは作業服が傷んでしまいます。生地が伸びた作業服は見た目も悪くなってしまい、せっかくキレイでもだらしない印象を与えてしまいます。
また、そうすると作業着が駄目になってしまうのも早いので、コストの面でもよくありません。作業着を一着しか持ってないという場合は、もう何着か購入して着まわすことで、生地を傷めるのを防ぐことができるでしょう。
また、あまりにも長期間汚れたままの作業着を放置するのはよくありませんが、可能であれば洗濯する回数をセーブするなどして、洗う頻度を少し調節してみるといいでしょう。ただ、一番いいのはやはり生地を傷めないよう、汚れが落ちるくらいのちょうどよい力加減で洗うことです。
作業着を洗っていくうちに、自分でちょうどよいくらいの強さを感覚で覚えて行いけるといいでしょう。
作業着を着て作業をされているということは、汚れてしまう恐れがあるということです。作業着はそのために作られた服ではあるのですが、毎回毎回手間ひまかけて洗濯をするのは、とても大変です。それが毎日のことならなおさらでしょう。
また、頻繁に洗濯をするため生地が傷んでしまうのも早いです。そうなると、「どうすれば汚れないようにできるか?」と考えることも大切になってきます。まず、現在持っている作業服が汚れないようにする工夫の一つとして「撥水スプレー」があります。
これは全く汚れなくなる、という訳ではありませんが、撥水スプレーを使用することでこれまでより汚れが付着しにくくなり、洗濯をする時もずいぶん楽になることでしょう。そしてもう一つの方法としては、ベビーパウダーを使ったやり方があります。
ベビーパウダーはドラッグストアなどで簡単に手に入り、値段も数百円とお手頃です。表面に軽くはたいておくだけで効果があるとても簡単な方法なので、おすすめです。また、もし新しく作業服を購入できるのであれば、できるだけ「汚れにくい加工」がされたものを選ぶことをおすすめします。
現在販売されている作業服は、優秀な機能を持ったものがたくさんあります。選ぶ際の基準としては、撥水・撥油加工がされているものがいいでしょう。これらの作業服では、生地の表面に水や汚れを弾くコーティング加工がされています。
これらの作業服を選ぶことで油が繊維に染入りにくくなり、汚れが付きにくくなるのです。
作業服を洗う洗濯機ですが、実は何度も洗っている内に、その作業服の汚れが洗濯槽に付着していってしまいます。洗濯して作業着はキレイになったと思っても、その汚れは確実に洗濯槽の中に蓄積しているのです。汚れた作業着を洗うための洗濯機が汚れていたら、元も子もありません。
そしてその汚れを放置したままにしておくと、汚れや臭いが他の衣類にも移ってしまいます。汚れた作業服を洗う機会が多いという人は特に、定期的に洗濯槽を洗い、キレイにしておくようにしましょう。洗濯槽を洗う頻度の目安としては、3カ月に一度くらいがいいでしょう。
洗う時は作業着を洗濯するのと同様にお湯を使い、漂白剤を入れます。そのまますすぎをし、終わったら1~2時間放置しておけば、洗濯槽の汚れが浮いてくるでしょう。また、洗濯機の中にあるゴミ取りネットは、洗濯をしたあとで毎回ゴミを取り除いておくようにしましょう。
そして洗濯が終わった後、すぐに干さずに洗濯物を入れたままにしておくと、湿気で菌がどんどん増殖していってしまいます。洗濯が終わったらすぐに洗濯物を取り出して干し、洗濯機の蓋は開けておきましょう。